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【動態論と静態論】理論株価の算定における二つの考え方とその差異を考える

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こんにちは。

このブログでは度々「理論株価」という言葉を使わせていただいておりますが、そもそも理論株価には様々な考え方があり、故に様々な求め方があります。

 

なお、私にとって聖書にあたる「バフェットの銘柄選択術」という本には、2通りの「10年後の理論株価」の算出方法が紹介されております。

今回はこの2通りの理論株価の算出方法を軸にして、理論株価というもの自体への考え方を深めたいと思います。

 

まず、バフェットの基本的な理論株価の構成は以下の通りです。

10年後の理論株価=(10年後のEPS)×(平均PER)

ここまでは2通りの算出方法で共通していますが、(10年後のEPS)の求め方が異なります。

【算出方法①】

10年後の理論株価=(10年後のEPS)×(平均PER)

{(10年後のBPS)×平均ROE}×(平均PER)

〈現在BPS×{1+平均ROE×(1-平均配当性向)}^10×平均ROE×(平均PER)

 

【算出方法②】

10年後の理論株価=(10年後のEPS)×(平均PER)

現在EPS×(1+過去10年のEPS成長率/年)^10}×(平均PER)

 

 

算出方法①ではBPSとその成長率にあたるROEを駆使して10年後のBPSを求め、その10年後のBPSに平均ROEを掛けることで10年後のEPSを求めています。

一方、算出方法②では10年前から現在のEPSの成長率から、そのまま10年後のEPSを求めています。

 

これらは同じことをしているように見えて、なかなか違う観点から理論株価を算出していることとなります。

実際の企業で計算してみると、2通りのやり方で理論株価に大きな差異が出ることも珍しくありません。

 

 

では、それぞれの算出方法がどのような考え方から成り立っているかを見ていきます。

 

算出方法①は、10年後のEPSを、「10年後のBPS=10年後の純資産額/株」から求めていることが分かります。

純資産額は言い換えると企業の帳簿価額であり、債務弁済能力です。

純資産額がマイナスの企業は債務超過であり、よっぽどのキャッシュフローが無い限り倒産に陥ります。

このことより、純資産額は企業の最も基本的な価値といえます

「10年後のEPS=10年後の利益創出能力」を純資産額という最も基本的な企業価値の大きさから求めようとするのが、算出方法①の考え方です。

 

なお、純資産額の算定を会計目的とする考え方を「静態論」といいます。

純資産額をもとに理論株価を求めようとする算出方法①は静態論的見地から見た理論株価の求め方であると考えます。

 

 

算出方法②は、10年後のEPSを過去10年のEPSの推移からそのまま求めています。

純利益の源泉となる資産状況などを考慮せず、企業活動の結果にあたる純利益の成長率の推移のみに注目して、10年後のEPSを求めるということになります。

 

実際、純資産が2倍になったからといって、純利益が2倍になるとは限りません。

このことから、純利益という絶対的な企業の利益創出能力の成長率のみに注目し、理論株価を求めようとする算出方法②にも一定の合理性があります。

 

なお、損益計算を会計目的とする考え方を「動態論」といいます。

過去の純利益をもとに理論株価を求めようとする算出方法②は、算出方法①とは異なり動態論的見地から見た理論株価の求め方であると考えます。

 

 

さて、算出方法①と算出方法②の考え方の違いについてまとめましたが、次に両者の理論株価になぜ差異が出るのかを考えていきましょう。

 

算出方法①ではBPSの成長率、算出方法②ではEPSの成長率に比例して理論株価は算出されます。

このBPSとEPSの成長率は相関関係にはあるものの、一致しているわけではありません。

 

このようなBPSとEPSの成長率の関係については、過去記事で触れております。

そこでは、BPSの成長率をどれだけEPSの成長率に反映できているかという観点で、以下の通り「投資効率」という指標を考えました。

 「企業の投資効率」= (1+EPSの成長率) / {1+平均ROE×(1-平均配当性向)}

 

www.ichika-ryu.com

 

 算出方法①と算出方法②の差異とは、この「投資効率」を考慮に入れるか入れないかの違いなのです。

算出方法①では、BPSの大きさのみを基準に理論株価を考えているので、投資効率は考慮されておりません。

算出方法①に投資効率の考え方を入れ込むとどうなるでしょう。

 

【算出方法①】

10年後の理論株価

〈現在BPS×{1+平均ROE×(1-平均配当性向)}^10×平均ROE×(平均PER)

=現在EPS×{1+平均ROE×(1-平均配当性向)^10}×(平均PER)

 

この式の「1+平均ROE×(1-平均配当性向)」の部分に

投資効率= (1+EPSの成長率) / {1+平均ROE×(1-平均配当性向)}

 

を入れ込むと、

現在EPS×(1+過去10年のEPS成長率/年)^10}×(平均PER)

算出方法②と同じ式となります。

 

ここから、算出方法①と算出方法②の違いとは、投資効率=BPSの成長率がEPSの成長率にどれだけ反映されているかの度合いを考慮しているかしていないかの違いということが分かります。

 

投資効率を考慮すると、ROEが伸びている企業の成長性を加味した理論株価が求められます。

投資効率は企業規模が小さい方が高い場合が多く、中小成長株は算出方法②の方が高い理論株価を示す場合が多いです。

逆に、既に莫大な純資産を築いている大企業などは、利益率が高くても利益率の成長性が伸びているケースは少なく、算出方法①の方が高い理論株価を示す場合が多いです。

 

算出方法によって理論株価が変化してしまうことは好ましくないので、算出方法①と算出方法②をどちらも試し、複合的に理論株価を見るのが正しい姿勢なのかもしれません。

 

 

ちなみに、私の使用している10年後の理論株価の求め方は以下の通りです。(過去記事参照)

「10年後の理論株価=現在BPS×(純資産の1年ごとの成長率)^10+現在EPS×(当期純利益の1年ごとの成長率)×PER

 

www.ichika-ryu.com

 

この方法は算出方法②に10年後BPSを足すことで、理論株価を求めております。

 

BPSの成長と、EPSの成長の両面を理論株価に組み込むことで、算出方法①②どちらの考え方も盛り込んでいる算出方法となります。

注意点はPERを保守的に見積もらないと、算出方法②から10年後BPSの分だけ必ず高い理論株価を示してしまうことです。

PERの設定は難しいですが、現在の成長度が高い企業ほど保守的に見積もっておいた方が大怪我はしない気がします。

もし興味がありましたら、この方法でも企業の理論株価を計算していただけると嬉しいです笑。

 

 

以上、今回は理論株価の算出方法①と②をもとに、「企業の成長を純資産の増加とする考え方」「企業の成長を純利益の増加とする考え方」についても触れました。

理論株価の求め方はネットや本でも様々見受けられますが、これらの考え方を知った上で考えるとよりクリアな思考で取捨選択できると思います。

 

また機会があれば、第③の視点である企業のキャッシュフローを軸に理論株価を求める方法についても書いてみたいなと思っております。

 

今回は以上とさせて頂きます。

ではでは(゜ω゜)ノシ